『あたたかい心』という団体名には、私たちの思いがたくさん詰まっています。
「あたたかい」の部分を「温かい」にするか「暖かい」にするか、スタッフからいろんな意見が上がりましたが、
最終的には満場一致でひらがなに決まりました。
<温>も<暖>も、ある程度決まった意味を持っています。
でも、人と人が支え合う時に感じるあたたかさは、時も場所も内容も千差万別です。
一人ひとりの利用者様に「あなたを大切にしたい」という思いが伝わればいい。
ふかふかの毛布にくるまれた気持ちになれたり、日なたぼっこをしているように和んだり…
どんな風にあたたかいかは受け取る人の自由だからと、この表記を選びました。
文字の持つ柔和なイメージも、地域の方々に気に入っていただけたようです。
私たちは、介護に関わるルールを遵守して活動にあたっています。
しかし、時として介護保険及び障害者総合支援法の枠より飛び出ることもあります。
私たちは、「利用者が一番してほしいことは何か」を考えます。100人いれば100通りの願いがある。
だから型通りのサービスではなく、「お役に立ちたい」の一心で信念を持ってやり通す。
そのために、一人ひとりの細かな要望にできる限りお応えする
介護保険適用外サービス「くらし助け合い活動」にも力を入れています。
誰しも「今だけ助けて!」「ちょっとでいいから手伝って!」という時があるもの。
そんな時、気軽にご利用いただきたいのがこのサービスです。
いつも、誰かの支えになっていたい。その人が本当に望むことをしてさしあげたい。
これが「あたたかい心」の本来の事業だと信じて、手助けを求める皆さんと向き合っています。
私たちは、「運営ではなく経営をするNPO」「公理公益を生むNPO」として積極的な介護福祉活動を行っています。
2000年4月に介護保険制度が誕生しました。欧米諸国のそれに比べればまだまだですが、日本の福祉体制もようやく機能し始めてきたように見受けられます。
そんな中で、私たち「あたたかい心」というNPO団体(特定非営利活動法人)は、日々模索しながらその活動を充実させ、『公利公益を追求する営利団体であろう』というひとつの方針を立てました。
時に、NPOが利益という言葉を口にするのは歓迎されないことがあります。NPOは民間企業と異なり“利益を上げてはいけない”というイメージが根付いているからでしょう。ですが、それは全くのナンセンスであり、言葉の意味を偏って捉えるが故に生まれる誤解です。
「非営利=利益を得てはいけない」という意味ではありません。健全な利益は介護に心血を注ぐスタッフの暮らしを守ります。守られているスタッフは利用者のケア向上により一層努める。この好循環が、必要とされる介護福祉活動を生みます。限られた寄付や助成金だけでは限られた活動しかすることができません。
介護福祉の分野で、母親である女性が主体となって経営され、功績を挙げ頑張ってきた草の根型NPOがあります。私は自分の思いを型にする為、事業型NPO法人を目指してきましたが、もう一歩進んでNPE(non profit enterprise:非営利企業)という思想で取り組み、ハード面・ソフト面の充実を図り、介護保険外のニーズに対応することで、皆さんに還元をしているのです。この利益が私利私欲でなく、あくまでも公利公益に直結するものであることを、私たちは行動で示していくつもりです。
寄付や助成金だけに頼らない「事業型NPO(=NPE)」。このスタンスが確立されれば、日本の福祉はさらに発展するはずです。
私たちは、精神障害者ケア・自閉症などの発達障害にも、積極的に関っています。
障害者施策の中で一番遅れているのが精神障害者施策です。貧困な施策のために社会的入院を余儀なくされている精神障害者の方々も、医療関係の法律改正によって退院することになります。
ついさっきの自分の言動を忘れてしまう、約束事が守れないなど、意思の疎通が難しい相手のケアは「困難事例」とされ、拒否する介護福祉団体は少なくないのです。
ご家庭でも対応に苦慮すれば、本人自身は行き場をなくしてしまいかねません。
国によって2005年障害者自立支援法に三障害が同一の法の基に位置づけられた事は、画期的ではありますが、まだまだサービスの格差は存在しています。解決すべき社会問題になるのは必至でしょう。
また、発達障害である自閉症やLD(学習障害児)、ADHD(注意欠陥・多動症など)についても、多くの課題が山積です。
そこで私たちは、発達障害の子供たちに、個別の支援プログラムを作り、少しでも自立に近づけるよう関わっています。
各種療育やケアプラン、そして最終的には“障害者優遇(差別)のいらない、適材適所による社会参加”にまで辿り着けるよう、「あたたかい心」は誠心誠意サポートをしてまいります。